iPhone 16e、1カ月使ってみた。必要なことは全部できる。それでも買うのをやめた理由
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2025-04-08T12:00:00Z

発売から1カ月経ったけど、iPhone 16e、ぶっちゃけどう?
価格と機能を落として登場したiPhone 16e。普段iPhone 16 Proを使っている私ですが、今回編集部からiPhone 16eを借りて、1カ月間使ってみました。
体験して、本当によければ購入も視野に入れようと始めた検証。はたしてiPhone 16eはありなのか、まとめていきます。
軽くて、シンプルなのがいい。これで十分なiPhone
これまでずっとiPhoneのProシリーズを使ってきた私にとって、iPhone 16eの軽さとシンプルさにはまず驚かされました。
iPhone 16 Proの重さが199gなのに対して、16eは167gです。本体が軽いだけで、持ち続けるストレスがなくなり、作業がしやすい。
そして、年々機能がもりもりになっていくProシリーズが、複雑化してきている一方で、機能を必要最低限に絞ったiPhone 16eは、わかりやすくて使いやすい。
それでも生活していく上で必要なことは、一通り行なえる(しかも高いクオリティで)ので、正直十分なスマホ体験だと感じます。
むしろ、気付かされちゃいました。これまでの自分のiPhoneに備わっていたハイエンド機能たち、本当に必要だったのだろうかと...。
iPhone 16eを使って気づいた、なくても困らなかったハイエンド機能たち
左: iPhone 16eのノッチ 右: iPhone 16 ProのDynamic Island
たとえば、「Dynamic Island」はiPhone 16eにはありません。
音楽をバックグラウンドで再生しているときにステータスを表示してくれたり、着信時や充電中、AirPods装着時に情報を表示してくれたりと、ちょっとした便利機能なのですが、なくても気にならなかったですし、そもそもそんなに使っていたわけでもなかったんだと気付かされました。
Wi-Fi 7にも非対応です。ただこちらは我が家に7のルーターがないのでそもそもあってもなくても関係ない機能でした。
GPUは、iPhone 16が5コアGPUなのに対し、16eは4コアGPU。実際に重めのゲーム『BIOHAZARD VILLAGE』でテストしてみると、フレーム落ちすることがありました。ただし、どうしても高負荷ゲームをやりたいかというと自分はそうでもない人なので、個人的にはコア数減っても問題というほどではありません。
結局、スマホでよくやることって絞られますよね。コミュニケーションやネット検索、動画視聴やアプリの使用、カレンダー管理やアラームの設定、電子マネーのお支払いなど。最新のA18チップが組み込まれた16eなら、これないと生きてけないって機能、問題なくサクサク使えます。
バッテリーの持ちも良く、普段使いには何の不便さもありません。
上位モデルに備わった、てんこ盛りの機能。ある分にはありがたいのですが、個人的にはなくても困らないぐらいの機能だったのだと改めて実感させられました。
SEよりも高額化。この値段、妥当なの?
価格については、iPhone 16eが税込99,800円で、iPhone 16が税込124,800円と、その差が25,000円であることは悩ましいポイントです。
次世代のSEを期待していて、価格の高騰に落胆した人も多いでしょう。自分も最初はがっかりしてました。
ただしばらく使ってみると、iPhone 16eは、SEとは異なるコンセプトで生まれたiPhoneだと感じてます。
なんせiPhone 16e、Appleの最新AI「Apple Intelligence」が使えるんです。
文章の校正や画像の生成などたくさんのAI機能を備え、iPhoneの利便性を大きく向上してくれます。
Image Playgroundを用いた画像生成
↓Apple Intelligenceについて詳しくはこちら
iPhone SEは、最新技術を削ってでも「とにかく安く」を追求した端末だったと思います。一方でiPhone 16eは、Appleが「これだけは体験してほしい」と考える最新機能(主にApple Intelligence)はしっかり搭載しつつ、可能な限り価格を抑えたモデルだと感じます。
安さに全振りしたSEと、Appleのクオリティスタンダードをギリギリまで守った上でコスト調整を行った体験優先の16e。両者のコンセプトは、似て非なるものなんじゃないかと感じました。
新しくなったSiri
おそらくこれからのiPhoneは、AI機能がスタンダードになっていくでしょう。Apple自身も、AIなければiPhoneでなし!と言わんばかりに、必須機能にしてくるはずです。そんな時代に、最も手ごろに手に入るiPhone。そういう意味で、16e、お値段相応なような気もしてます。
それでも私が、iPhone 16を買わない理由
と、ここまでiPhone 16eで十分じゃん説を唱えてきてしまったのですが、はたして私にとって、購入すべきiPhoneなのか? ちゃぶ台返しで申し訳ないのですが、今回はお見送りしたいと思います。
というのも、iPhoneを仕事でバリバリ使っている私にとって、iPhone 16eの機能では不十分だったのです。正確にいうと、iPhone 16eのカメラ機能が物足りず、購入したい、とは思えませんでした。
左: iPhone 16e 右: iPhone 16 Pro
超広角カメラがないことが一番の辛み。
目の前の景色を広く写せる超広角カメラ。取引先への伝達に、あるいは記録のために、被写体の情報を抜け漏れなくすっぽり写せる超広角カメラは、私にとってはなくてはならない存在です。
また、商業目的で写真や動画を撮影することもある私にとって、少しでも綺麗に撮れることは重要なんです。その点、iPhone 16eでは、力不足な面がちらほらと…。
RAW撮影やLog撮影はできません。望遠レンズはなく、マクロ撮影機能もなし。手ぶれ補正もグレードが落ちています。さらに、ポートレートモードが悩ましく、被写体が人物の時にしか使えないため、物撮りの多い自分にはもはや使えるモードとは言えません。
左: iPhone 16 Pro 右: iPhone 16e ポートレートモードでの撮影比較。iPhone 16eでは、「誰も検知されませんでした。」と表示されています。
編集においては、最新のフォトグラフスタイルが使えません。写真をより美しく仕上げてくれる使用頻度高めの機能なのですが、未実装なため写真編集の工程が増えてしまいました。
iPhone 16から登場したカメラコントロールボタンについては、発売当初はいらないボタンだと思ってましたが、ここ半年ですっかり馴染んでしまっていたようです。カメラコントロールボタンがないiPhone 16eには、取扱のしづらさすら感じてしまいました。
あー、やっぱりカメラがネック。それだけ自分は、iPhoneのカメラに依存しきっているということです。
ただこれは、私のニーズとiPhone 16eでできることがマッチしなかっただけなので、買う人がiPhoneをどう使いたいかによって変わるところです。16eは自分向きではありませんでしたが、人によっては最高の端末になると思います。
ハイエンド機だけが正解じゃない。あなたにとってベストなiPhoneはどれ?
高性能こそ正義。そんな気持ちもあったのかもしれません。ずっとProシリーズを選んできた私ですが、自分にとって本当に必要な機能とはなんなのか、問い直された検証になりました。
16eの登場で、iPhoneごとの価格差が縮まった今、購入する際にしっかりと自分のニーズを見極めて、適切なデバイスを選ぶことがさらに求められる時代になったんだと思います。
Proだからっていいわけではありません。なんせ、機能が増える分重くなるデメリットも存在します。複雑になることで、扱いにくくもなりますしね。
iPhoneどれ買おうか迷ったら、iPhoneで自分は何をしたいのか、そのためにはどこまでの機能が必要なのかを洗い出してから、比較検討するのがいいでしょう。
カメラ機能がポイントだった私には、iPhone 16eは適切ではないiPhoneでした。
ただ、生活に必要なことを全部でき、使いやすいiPhoneを求めている人には、ぴったりのiPhoneだと思います。
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